エミリー・ブロンテの『嵐が丘』を『フィッシュ・タンク』で脚光を浴びた英国女性監督アンドレア・アーノルドが映画化した。キャシーとヒースクリフという主人公の恋愛物語。文芸ドラマ,イギリス風に言えばコスチューム・ドラマ(時代劇)というカテゴリーに入る作品だが、アーノルド監督は前作がそうであったように、素人キャスト(ケン・ローチ風)とハンド・ヘルド・カメラ(テレンス・メリック風)を使用して本作を新鮮に作り上げた。ひゅーひゅーと風がうなるヨークシャー・デールという背景に、ざらざらした、それでいて生々しい映像が、本作を文芸ドラマとはかけ離れたリアルで人間的な恋愛ドラマにしている。動物や草木、人の表情など絵画的なクロース・アップが多く、台詞は少ない。雨で湿地化したヒースの生い茂る野原で少年と少女が泥まみれでじゃれあう瞬間。泣くことの出来ない少年ヒースクリフが、キャシーの泣く様子をみて、目にゴミを落として無理やりに涙を出すシーンなど、印象的なシーン満載。斬新な解釈がうけたのかイギリスのプレスは絶賛している。もう一度原作が読みたくなることまちがいなし。
一方少し前にシャーロット・ブロンテの『ジェイン・エア』も公開されたが、こちらを監督するのはキャリー・フクナガ。ミア・ワシコウスカのジェインと、マイケル・ファスビンダーのミスター・ロチェスターが最高の演技を披露してくれる。うっとり。おなじヨークシャー・デールが背景、雨と嵐が吹きつける灰色の景色はもう一人の主役だ。
不思議なことに、両作とも、台詞が少なく、映像が物語を語る。
今年は文芸作品のあたり年かも。
一方少し前にシャーロット・ブロンテの『ジェイン・エア』も公開されたが、こちらを監督するのはキャリー・フクナガ。ミア・ワシコウスカのジェインと、マイケル・ファスビンダーのミスター・ロチェスターが最高の演技を披露してくれる。うっとり。おなじヨークシャー・デールが背景、雨と嵐が吹きつける灰色の景色はもう一人の主役だ。
不思議なことに、両作とも、台詞が少なく、映像が物語を語る。
今年は文芸作品のあたり年かも。
#
by ytakano_london
| 2011-11-14 03:07
| FILMS映画
|
Trackback
|
Comments(0)